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ひとりごと

思い出の味を超えて

​私が生まれ育った山形の町は、あの「芋煮会」で有名な「馬見ヶ崎川」にほど近い「印役町」という所です。

薬師公園の桜に春をおぼえ、馬見ヶ崎川の河原で夏の涼

とり、秋は盃山(さかずきやま)に遊び、雪の冬は竹スキーで小学校に通ったのでした。

私が初めて「餃子」というものを口にしたのは、昭和38年頃、美味しいからと、母に連れて行ってもらったのが当時の大繁盛店「つり味」でした。

東北四大祭りの一つ、花笠祭りのメインストリートになる七日町大通り。この大通りにあるバス停 の「県庁前」にその店はありました。

10坪も無い程に小さい店は、いつもお客様でごった返し、座って食べている人よりも、席が空くのを待って立っている人の方が多い店でした。

目の前に運ばれてきた餃子は、こんがりときつね色に焼き上げられ、一口頬張れば肉汁が飛び出して来た。美味しくて美味しくて、夢中で何個も食べました。

私はどうしても「餃子」というと、子供のころに食べた「つり味」のあの味が忘れられません。

じらい屋の餃子は、このノスタルジックで田舎チックな私の記憶が原点です。でももっともっと美味しくなるように、毎日みんなで、一生懸命手作りしています。

召し上がって頂いたお客様に、私の様に何十年も記憶に留めていただけるように…。

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